東京都立川市のお客様より、タナカワークス製モデルガン 一〇〇式機関短銃をお譲りいただきました。ありがとうございます! 南部拳銃と同じ8×22mm南部弾を使用する日本製のサブマシンガンです。一〇〇式の「一〇〇」は、制式採用のためのトライアルが行われていた皇紀2600年(1940年:昭和15年)に由来します。
第一次世界大戦時のヨーロッパ戦線は塹壕戦が主体となりました。塹壕内の敵を排除するにはフルオート射撃を行いつつも銃口をコントロールし、コンパクトで閉所でも取り回しがよい火器が必要とされます。
それまでのライフルでは長過ぎており、拳銃では掃討力が不足しておりました。そうした最前線のニーズに応え、ドイツ帝国にて拳銃弾(9mm)を用いつつ両手保持でのフルオート射撃が可能なMP(マシーネンピストーレ)18が誕生しました。これがサブマシンガン(短機関銃)の歴史のはじまりです。
戦後、アメリカでも.45ACP弾を使用するトンプソンサブマシンガンが誕生。1920年代に量産され、大戦間の植民地での動乱や、他国(アイルランド)の独立戦争などに提供されます。しかしこの時代、室内などでも圧倒的な火力を持つトンプソンサブマシンガンを最も効果的に使ったのはギャングの連中と、それを取り締まる警察だったのかもしれません。
第一次世界大戦後の日本海軍ではサブマシンガンの有効性を認めつつも独自開発する余力はなく、ハーネルMP28やシュタイヤーMP34などのサブマシンガンを輸入して配備していました。当然使用する弾丸も7.63mmモーゼル弾を輸入せねばならず、国家間の関係や優位性に左右されてしまいます。
こうした経緯の中、独自のサブマシンガン開発の必要性に迫られました。一〇〇式機関短銃はMP28やMP34の強い影響を受けており、左方向にマガジンが飛び出すレイアウトになっています。このマガジン方式はバランス的には問題がありますが、伏せ撃ち時に有利でもありました。使用する8mm南部弾のテーパーがきついため、マガジンはバナナ型となりっています。当初は二脚の有無などで空挺隊向けや陸上部隊用などで設計段階から数タイプを用意していました。
後期になると生産性を高めるため、統一した設計となります。一方で前期と後期でマガジンの互換性がなくなるなど、配備先で混乱もありました。装弾数の多さなど他国のサブマシンガンより優れた点も少なくない一〇〇式機関短銃。しかし第二次世界大戦後半には輸送船がことごとく沈められるなどして前線に届かず、活躍の機会は少なかったようです。
タナカワークスのモデルガンは1986年の発売。もちろん当時ははじめてのモデルアップで、1993年頃まで7年間にわたり生産されました。タナカ版は後期型量産前に製作された「後期試作型」ともいえるバージョンを参考にしたといわれており、前期型と後期型の特徴を兼ね備えたものとなっています。
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