ルガー10/22といえば、アメリカでは非常にメジャーなライフルです。威力が少ない.22LR弾は反動が少ないため、命中率が高く扱いやすい銃となります。本体はもちろん弾薬自体も非常に安価なため、射撃そのものを楽しむプリンキングをはじめ、小動物の狩猟、競技銃などに適しています。
かの国では親が子供に買い与える最初の一挺としても人気です。これらの利点により1964年の発売以来ロングセラーとなりました。10連のロータリーマガジンはストック本体にすっぽりと収納することができ、伏せ撃ちをしても地面に干渉しないなどの利点があります。また、15発もしくは25発のボックスマガジンも使用可能です。
標準スタイルのカービンはスタンダードなライフル然とした曲銃床の木製もしくは樹脂製のストックに、18.5インチのバレル。レシーバー部分は黒色合金もしくはステンレスシルバーとなります。近年はこのスタイルにレーザーサイトを装備した状態で提供されています。そのほかにショートバレルタイプやブルバレルモデル、チェッカーウォールナットストックのスポータータイプなど、基本的なライフルスタイルだけでも多数のバリエーションが存在します。
そのほかにも樹脂製でピストルグリップに伸縮式バットストック、各部にレールマウントなどを追加した純正のタクティカルカスタムなども多数リリース。50周年記念モデルは一般投票によって決められるなど、いかに高い知名度を持っているかがわかりますね。また、限定モデルのコレクターシリーズなども定期的に発売されています。
半世紀以上にわたる歴史の中で発売された純正・他社製のカスタムパーツの数も非常に膨大です。テセウスの船よろしくこつこつとパーツ交換をしていたらもう１挺分まるまるできあがることも珍しくありませんし、そもそも最初から全パーツをルガー社外品で組み上げることも可能です。
このへんのカスタマイズあるあるは、日本の人気トイガンにも通じるものがありますね。他メーカーによる各種クローンも発売されていますが、よくある廉価版どころかむしろ本家よりも高コストな仕様や材質で製造されているものも少なくありません。
国内では1980年代にMGCからガスガンとしてリリースされています。まず1987年ににグラスファイバー樹脂製のストックを装備したカスタム風モデル「ブラックパンサー」が発売。400発分のリザーブタンクを持ったバナナ型の40連マガジンを装備、ストックは折り畳み式でバイポッドが付属しました。
その後木製ストックのスポータータイプほか、多数のバリエーションを展開しています。それまでのMGCハンドガンはバレルが後退してBB弾をくわえこむ方式でしたが、ブラックパンサーはガスノズルが前進するため、バレルが固定となり、命中精度が安定しました。この方式を設計したのは、かの小林太三氏。その後タニオコバブランドでガスブローバックモデルのルガー10/22がリリースされ、台湾KJワークスのKC-02ホークアイはそのリメイクとなります。
エース１アームズはホークアイ用のパーツをリリースしており、ホークアイを組み込んだ今回のラプターのほかにも、マグプルX-22タイプストックを組み込んだコンプリートモデルをリリースしています。機関部の基本構造はタニオコバ設計であり、いわばその子ども（孫？）的な位置づけともいえ、信頼性も高いものです。
こうしたキットとの組み合わせやコンプリートモデルのリリースも、実銃と同様の楽しみ方といえるでしょう。カスタマイズの自由度など、現在国内外で入手できるガスブローバック版10/22は、機関部がルガー製からタニオコバに替わっただけといえるかもしれません。
ちなみに自分は当時MGCブラックパンサーを購入していますが、安定した弾道とボックスマガジンの手軽さ、グリップへのリキッドチャージなど、実銃同様プリンキング向きで扱いやすい銃でした。プローン射撃を意識して、スポーター用のボックスマガジンも購入しました。アウターバレルをショート化してストックレスにしてあり、今回掘り出そうとしたのですがちょっと見つかりませんでした。
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