【カスタムナイフ】おすすめの選び方や基準
カスタムナイフとは
「カスタムナイフ」とは、職人がひとつひとつ手作りしたハンドメイドのナイフのことです。また、狭義では、特注(カスタム)のナイフのことも指します。
キャンプ人気の高まり、ブッシュクラフトの流行などで、ナイフの需要も高まってきた近頃ですが、自分専用のナイフとして、カスタムナイフに興味が湧いてきたという方もいるのではないでしょうか。
カスタムナイフには一般的なナイフと同様に、使い道に合わせて様々な種類が存在してます。そこで本記事では、カスタムナイフの基本的な知識から入りつつ、自分の使用用途に合うおすすめのナイフの選び方からカスタムナイフの歴史についても紹介していきます。
自分に合ったカスタムナイフを選ぶ、またはカスタムナイフの魅力を再確認する、そのきっかけになれば幸いです。
カスタムナイフの特長と魅力
ナイフといっても、料理をする、木を切る、狩りをするなど、使い道によって適当なナイフが必要になりますよね?
そこで多くのマニアの頭に浮かぶのはカスタムナイフの存在ではないでしょうか。それは、カスタムナイフが知識や技術を持った職人の理解によって、より用途に適したナイフが生まれるからだと私は思います。
また、カスタムナイフはひとつひとつが手作りした一点物です。依頼主の要望に応えてくれた、職人が持てる技術を注ぎ込んで作られた、そんな世界にひとつしかない物を手にすることができるというのも魅力ですよね。
現在では、カスタムナイフに芸術性を見出し、観賞用、展示用のようにコレクション目的で購入する収集家もいるほどです。個人的には自然の美しさを落とし込んだナイフが好みで、螺鈿細工の施されたカスタムナイフに惹かれることが多かったりします。あの美しい色合いだったり、輝きはどれだけ眺めていてもまったく飽きません。
カスタムナイフの広がり
ナイフの製造方法は、もともと刀剣を製造する際と同様の鍛造が主流でした。しかし、カスタムナイフは主にストック&リムーバル法(S&R法)という、鋼材を切って原型(ストック)を作り、ヤスリで削り出し(リムーバル)する製造方法で作られます。
この製造方法は、大掛かりな設備を必要とせず、より効率的にナイフを製造する方法として、1954年に開発されました。これにより、鍛造の技術や土地を持っていない人間でも、カスタムナイフ職人になることが出来るようになりました。
こうして多くの人に広がったからこそ、それそれの個性が溢れるたくさんの種類のナイフが生まれたんですよね。動物の角をハンドルに使ったらいいのでは?貝殻なんてどうだろうと、初めに考え形にした人には頭が上がりませんね。心からありがとうと伝えたい。
ナイフの種類
ナイフの種類には大きく分けて「フォールディングナイフ」と「シースナイフ」の二つが存在しています。これらには、それぞれ向き不向きがあるので、自分の使いたい用途に合わせてどちらかを選択するのが妥当でしょう。
フォールディングナイフ
「フォールディングナイフ」は、簡単に言ってしまえば折り畳んで刃(ブレード)を柄(ハンドル)の中に仕舞っておける『折り畳みナイフ』ことです。
包丁や鎌などメインとして使う刃物を持っていて、あくまでもナイフはサブとして、コンパクトに持ち運びたいという方におすすめですね。瞬時に刃を展開できるアシスト機構を採用しているものもあり、動きのカッコよさを楽しめるのも魅力のひとつです。
ただ、構造が複雑なので手入れの際に慣れが必要なのと、強度はどうしても刃が固定されたナイフには敵わないところは考慮すべき点です。特に薪を割るバトニングなど、ナイフに何度も強い力が加わる作業は絶対に避けましょう。
フォールディングナイフのロック方式
フォールディングナイフのロック方式にはいくつか種類があるのですが、基本的には刃を出す際にハンドルからブレードを引っ張り出すだけです。
中にはブレードにサムスタッドと呼ばれる突起がついているものもあり、そちらは片手で簡単に展開することができます。なお、携帯しているときに緩くて開いてしまうのでは危険なので、当然ではありますが、作りが固いものが多いです。
初めて扱うロック機構の場合、刃を戻せなくなり、どうやって戻せばいいんだ、強く押しすぎて刃が勢いよく戻ってきたらどうしよう、という困った状況に陥ることも多々あります。
こちらに代表的なものをいくつか挙げておきましたので、ここで刃の戻し方も含めてチェックしておきましょう。
ロック方式 | 特徴 |
ライナーロック式 | ブレードを出すことで自動ロックされ、内側の板(ライナー)を外に押すことでロックを解除できる方式。 |
ロックバック式 | ブレードを出すことで自動ロックされ、後ろ(バック)のボタンを押すことでロックを解除できる方式。 |
スリップジョイント式 | ブレードを出すことで自動ロックされ、ブレードを閉じる方向に押すことでロックを解除できる方式。 |
ツイストロック式 | ブレードの付け根(ボルスター)にあるリングをひねる(ツイスト)ことでロックしたり、解除したりすることができる方式。 手動でロックしなければならない。 |
また、フォールディングナイフにはロック方式が無いものも存在します。
ロック方式が無いナイフの代表的なものには、日本の「肥後守」と呼ばれるナイフがあり、こちらはブレードの根元にあるチキリという突起を、常に指で押さえるタイプです。カッターナイフが普及するまでは学生の間でメジャーな存在でしたが、今ではあまり見かけなくなってしまいましたよね。
ちなみに何かで縛っておかないと刃が出てきてしまうので、当時は輪ゴムなどで固定しておくのが主流でした。
シースナイフ
シースとは鞘のことで、その名の通り、仕舞うために鞘が必要なナイフのことです。
フォールディングナイフに比べると、刃が固定されているため、持ち運びに不便ではありますが、刃の先端から持ち手の根元までが一つの鋼材で出来ており、作りが頑丈で衝撃に強く、多少乱暴に扱っても平気なのが利点です。刃が固定されていることからフィックスドブレード(固定刃)とも呼ばれていますね。
食材の調理から薪割りまで、基本なんでもできるので、万能ナイフが欲しい方にはおすすめです。
なお、構造が簡単なためメンテナンスはしやすいのもの、保管する際はシースの成分によってナイフが劣化してしまうことがあるので、使わないときは分けて管理しなくてはならない点には注意が必要です。
本章では、大きく分けて2種類あるナイフ、そしてフォールディングナイフのロック形式について紹介しました。
結論、携帯性や変形するカッコ良さで選ぶならフォールディングナイフ、丈夫さやブレードのダイナミックな大きさ、鞘との組み合わせに魅力を感じるならシースナイフといったところでしょう。
次章では、ブレードの形状やハンドルの内部構造など、より専門的な個所に着目してご紹介していきます。カスタムナイフについて、さらに細かく知りたい方に向けた内容となっているので、是非読んでいただけると幸いです。