匠刀房 黒田官兵衛『へし切長谷部』買取
居合刀の老舗メーカー『匠刀房』より発売されました『へし切長谷部』を新潟県上越市の方より宅配買取にてお譲りいただきました。
日本刀の『へし切長谷部』は1953年に国宝指定されていて、現在では福岡市博物館に所蔵されています。実物を見ることが出来る、数少ない刀剣の一振りとなっております。
NHK大河ドラマ『軍司 官兵衛』や『刀剣乱舞』の知名度に加え、その語源の良さから覚えている人も多いと思い日本刀だと思います。かく言う私も『軍師官兵衛』の影響から『へし切長谷部』を好きになりました。
へし切長谷部 名前の由来
刀の名称である『へし切長谷部』も織田信長が無礼を働いた、観内という名の茶坊主を手打ちにする際に付いた名称になります。曰く、膳棚の下へ隠れた茶坊主を棚膳ごと圧し斬ったとのことです。
※刀身を振り下ろさずに、当てた状態にて押し切ることを「圧し斬る(へし切)」と呼ばれていました
”長谷部”の部分については刀工の名前から付いていて、刀工『長谷部国重』によって鍛え上げられた打刀となっております。そのため上記の逸話にある切れ味と併せて『へし切長谷部』と呼ばれ、現代までその伝説は語り草となっています。
へし切長谷部は織田信長が黒田官兵衛に与えた刀であるとされています。(豊臣秀吉が与えたとされる説もあります)
歴史的の一説では、伊丹城主の「荒木村重」が「織田信長」に謀反をおこした際に「黒田官兵衛」が説得にあたり、功績として下げ渡したとされております。
この逸話だけを聞くと織田信長の刀のように感じますが、多くの偉人の手に渡り継がれてなお、当時の輝きを放っているということに驚きます。
居合刀 へし切長谷部の再現度
匠刀房で販売されている居合刀の品質は、正に折り紙付きで単純に振り回すだけではなく美術品としても楽しめる加工が多く施されています。
その中でも刃紋の再現度の高さは群を抜いていると思います。クッキリと映り吸い込まれそうになる魅惑の刀身です。現代では芸術品とされている美しい刀が手元にあった当時では、妖刀などと言われ人を惑わすとされていました。居合刀の再現でここまでキレイなのに、実際の刀を手にしたら確かに惑わされそうではあります。
へし切長谷部 刃紋
きっさきにまで入った波紋は見事としか表せません。皆焼でで再現しようとしているところは、単純な居合練習刀としての用途にとどまらず鑑賞用としても十二分に楽しめます。
刀身部分は日本刀で一番重要な箇所で、波紋を再現するのは難しいところながらも、細部に拘っているところがわかり満足出来る1本だと思います。
刀身比較
上が『へし切長谷部』で下が模造刀です。写真からも『へし切長谷部』には、ハッキリと刃紋が浮き出ているのがわかります。三ツ門も立体的に出ていて真剣さながらの迫力があります。
居合刀 へし切長谷部 刀装具
日本刀を楽しむうえで必要になる刀装具は、刀を引き立たせるうえでもとても重要な箇所です。刀身よりも刀装具に拘る人も多いので、華やかさ・実用度を兼ね備えた機能美を堪能できます。
特に居合刀・模造刀では、刀身(上身)だけで刀を判別するのは困難です。刀装具に特徴が出ているので、刀装具込みで考えるのが主流になります。
木瓜形鍔
鍔には当時よりお洒落な加工が施されているものが多く、刀の特徴を色濃く表しています。へし切長谷部の鍔は鉄地の木瓜形鍔で、上記写真の溶離に裏側(刀身側)は瓢箪の毛彫りされて装飾されています。シンプルな装飾ながら刀剣の魅力を引き出すあしらいですね。
表側(柄側)には「南無妙法蓮華経」の文字が掘ってあり、刀を振る際にこの文字が目に入るようになっています。どのような意図で鍔に南無妙法蓮華経を刻んだのかを想像するのは面白いですね。仏教に明くるくなくとも有名な一文ではあり、誰しも一度は耳にしたことのあるフレーズですが刀に入っているとこうも映えるとは思いませんでした。
頭
頭部分は金の装飾であしらわれています。全体的に金や漆で統一されていますので、嫌みのない光り方をしている装飾で、全体と調和がとれています。
柄巻
燻韋(ふすべがわ)で仕立てられたような革巻になっていて、刀の雰囲気を引き締めるような色合いです。質感もよく刀を振る際も手にしっくり馴染む素材であるので、剣を握る感触も楽しめる居合刀です。
居合刀の楽しみ方は多く、振るって良し、鑑賞して良しと多岐にわたります。実際に目の前にあると、振りたくなることもあるので模造刀よりも居合刀の方が個人的には好きです。
鑑賞という楽しみ方もありますが。実際に握ることでよく作られていることが解ったりもします。自分で柄巻を直したり、下緒を巻いてみたりと体験できるので、一度は模造刀や居合刀を手にしてほしい気持ちでいっぱいです。
くれいも屋では、模造刀・居合刀・日本刀の買取を行っております。詳しくは模造刀・居合刀買取ページをご確認ください。
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