岐阜県恵那市のお客様からタナカのモデルガン『コルトパソン .357mag 4inch HW』をお譲り頂きました。
「コルトパイソン」といえば、S&WのM19やM29等と並び、リボルバーの代名詞とも言えるモデル。
日本だと1985年に連載を開始した「シティハンター」の影響が強い感じですかね。
ちなみに、「ルパン三世」の次元が「S&W M19」を愛用していますので、コルトとS&Wどちらが好きかについてはここらへんで年齢層が別れてくる気がします。
先程も少し触れた通り、今のリボルバーがあるのは「コルト」と「S&W」の2社のおかげと言っても過言ではなく、この2社が競り合って開発や製造をしてきてくれたからこそ今のリボルバーがあるわけですが、この2社の競い合いがなかなか面白かったりします。
・コルトが銃身長2インチのディテクティブを発売 → S&Wは同じ銃身長のチーフスペシャルを発売
・S&Wが357マグナム弾用のM19を発売 → コルトが同じ357マグナム弾を使用するパイソンを発売
・ダーティーハリーのおかげでS&Wの44マグナム弾を使用するM29が絶好調! → コルトが同じ44マグナムを撃てるアナコンダを発売。(ダーティハリーには勝てず)
・シリンダーをリリースするシリンダーラッチがコルトは手前に引く、S&Wは前に押す
・シリンダーの回転がコルトは右回転、S&Wは左回転
こんな感じで1900年代にガッチガッチにやり合ってきた2社ですが、元々は1870年代にアメリカ陸軍の採用試験にコルトのSAAが通って、S&Wのスコフィールドが正式採用されなかったあたりや、数年後のコルトにダブルアクションのリボルバーで数年先を越されたあたりでも結構やり合ってたりします。
そんなコルト社の「パイソン」ですが、性能的な面ではS&Wの銃よりもかなり勝っています。
元々がスポーツ射撃用の銃として開発がスタートしたと言うことも有り、命中精度を上げるように設計がされている訳ですが、使用する部品や構造がが他の銃よりも複雑になり、生産時には他の銃とは別に専用のラインが用意され、最後の組み上げと調整も職人により手作業で行われていました。
結果的に価格の面でS&Wの物よりもかなり高額な物になり、「リボルバー界のロールスロイス」と揶揄されていたこともあったとか。
「パイソン」の命中精度を高める工夫がこの銃身の部分に施されています。
銃身の上部には放熱板の役割を果たすように隙間の空いた構造になっていて、銃身が熱を持って陽炎のように視界を妨げるのを防ぐようになっています。
また、銃身の下の部分にもう一本棒のような物(アンダーラグ)があり、銃身の前の部分にも重さを持たせることで、射撃時の反動による銃口の跳ね上がりを抑える構造になっています。
ダーティハリーでキャラハン警部が使用していたS&W社の「M29」は銃身の下には何も付いていないデザインでしたが、その後発売された「M629クラシック」というモデルでは「パイソン」と同じようにアンダーラグがあるデザインに変更がされた点でも、この構造がいかに優れているかの証明になるかと思います。
以上、こんな感じでタナカのモデルガン「コルトパソン .357mag」にかこつけて、コルトとS&Wのライバル話を書いてみました。
タナカの「コルトパソン .357mag」だとちょうど今回紹介したモデルと同型のモデルが、シティーハンター公式コラボモデルとしてガスガンとモデルガンの両方で出ていますので、気になった方は是非調べてみてください。
いや~、本当にタナカのリボルバーはどれも良い物ばかりなので、触っているだけで欲しくなってくるから困ります(・∀・)