栃木県足利市のお客様から、宅配買取にてMGCの『グロック17』をお譲り頂きました。
MGCの『グロック17』といえば、今でこそエアガンの定番となったガスブローバックの元祖とも言える製品で、発売当時はその強烈なリコイルに皆が驚いた物でした。
『グロック17』の発売以前にも、ブローバックを再現した製品は色々有りましたが、どれも実際のブローバックとはかけ離れた物ばかりでした。
多かったのがスライドが後ろに下がっている状態が基本で、スライドを前に押し込むことでコッキングと装填が行われ、引き金を引くとスライドが勢いよく後ろに下がってきて元の位置に戻るエアコッキング銃。
ガスを使用した物でも、同じように基本はスライドが後ろに下がった状態で、ガスを注入するとガスの力でスライドが前進して、引き金を引くとスライド内のスプリングの力でスライドが後ろの位置に戻り、その後ガスの力で再びスライドが前進すると言った感じでした。
どちらもスライドが勢い良く後ろの戻る事で、オートマチック銃のリコイルを再現しているわけですが、やはりなんちゃってブローバックな感じがいなめず・・・
そんな中登場したのが今回紹介するMGCの『グロック17』になります。
当時としては前述したような、なんちゃってブローバックしか無い状況の中、実銃同様に素早くスライドが前後するブローバック動作はかなり衝撃的で、まさにガスブローバックの新しい時代を切り開いた一丁でした。
『グロック17』はアフターシュート方式を採用したガスブロになります。(動作方式については後述)
動作の要となる部分はすべて本体側に集約されている事でスライド側には余分な物は付いていません。結果としてスライド自体が軽く、ブローバックの素早い動作を生み出しています。
スライド側には補強用の金属プレートがついているだけ。
現在のガスブロはスライド内部に動作ユニットがすべて組み込まれています。
ガスブロの話をする際に切っても切れない動作方式について簡単に説明しておきたいと思います。
■アフターシュート
スライドが先に後退を開始して、その後にBB弾が発射される方式。
引き金を引くとガスのバルブが開放され、まずはスライドが後退を開始。ある程度後退するとスライド側に来ていたガスがバレル側にルート変更されてBB弾が発射。
ガスの効率はいいけど、いかんせんスライドが後退しているタイミングでBB弾が発射されるので命中精度が残念な感じ。
今回紹介しているMGCのグロックはこの方式になります。
■プレシュート
BB弾発射後にスライドが後退する方式。
引き金を引くとガスのバルブが開放され、まずはバレル側にガスが流れてBB弾を発射。その後ガスのルートがスライド側に移り、スライドが後退を開始。
BB弾が発射された後でスライドが後退するので命中精度はかなりいい感じ!最近のガスブロはほぼこの方式を採用しています。
順番的には「アフターシュート」が先に誕生して、より実銃のような動作と命中率の向上を目的に「プレシュート」が生まれた感じです。
実際には「アフターシュート」の前に2way方式と呼ばれる引き金を引くとまずBB弾が発射され、さらに引くとブローバックが始まる方式もあるのですが、これはあくまで2つの動作を一連の動作でやっているわけではなくて、別々にやっているだけなので、個人的にはガスブロとはちょっと違うかなと思っています。
スライドを引くとこんな感じでエジェクトポートの部分に内部のユニットが見えています。 当時としてはこういった構造は他にもあって普通だったのですが、結構賛否両論だったらしいです。
マガジンは今のガスブロと同じ構造。
それ以前に出ていた固定スライドのガスガンもみんなこんな感じだったので、もう完成された設計って感じですね。
アフターシュート方式の『グロック17』ではありますが、プレシュート方式の登場後、MGCは「ハイパーブローバック」と言うプレシュート方式の動作ユニットを開発。
過去に発売していたアフターシュート方式のグロックシリーズにホップアップ機能とともに搭載して別モデルとして発売したり、当時よくリリースしていたカスタム系のモデルに搭載されていました。
ただ残念なのが、「ハイパーブローバック」が製品化された1994年の年末にはMGC自体が活動を停止してしまったので、搭載された製品がグロック以外にはガバメントやベレッタぐらいしかないというのがなんとも悲しい限りです。
今回お譲り頂いた『グロック17』以降、MGCのグロックはシリーズとして数多くのバリエーションが製品化され発売されています。
最新のガスブロもいいのですが、時にはこういったクラシックなブローバックガスガンも面白いので、ぜひ機会があれば手にとって見てください。
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