昔はゴールドに光り輝いていた金属製モデルガンが、数年ぶりに箱を開けたら何故か色が薄くなってきてるなんて事はありませんか?
色が抜けないように注意していても、徐々に色が薄くなってきて、最終的にはどう見ても銀色にしか見えなくなってしまうこの金属製モデルガンあるある。
今回はこの金色が薄くなってほぼ銀色になってきてしまっている金属製モデルガンを再塗装してみたいと思います。
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買ったときは金色だったのに、なんで色が抜けてしまうのか?
金属製モデルガンの場合、銃刀法にて黄色(金色)か白色の着色するように定められています。(詳しくは次項で解説します)
だから、製品として販売される時にはほとんどの商品は金色の状態で出荷され、店頭などに並べられているわけです。(白色のモデルガンはほぼ見たこと無いですね)
では何故、買った時は金色だったのに、何年も時間が立つと色が抜けてきて銀色になってしまうのか?
理由はいろいろあるようですが、よく言われているのは当時の塗料や塗装技術の関係で、退色をしてしまうのではないかという話です。
もちろん大丈夫な物もあるのですが、薄くなってきたなと感じたら、色が抜けるのは覚悟しておいたほうがいいと思います。
銃刀法上で所持できる金属製モデルガンの条件
法律で制限がされている金属製モデルガンですが、そもそもどのような金属製モデルガンであれば所持することができるでしょうか?
現在の法律(銃砲刀剣類所持等取締法)では拳銃タイプの金属製のモデルガンについては以下のように定められています。
・ 銃腔に相当する部分を金属で完全に閉塞すること
・ 銃把に相当する部分を除き、表面の全体を白色又は黄色とすること
銃腔は弾が通る銃身の内面の部分を指しますので、銃身自体が完全に閉鎖されている必要があります。
(厳密には改造ができないように超硬材などのインサートを入れて銃身が貫通していない状態であれば大丈夫です。)
銃把は手で握るグリップの部分を指します。つまり、グリップ以外は表面を白色又は黄色に着色する必要があります。
(黄色は金色でも大丈夫ですが、銀色は白色とは認められません。)
厳密には銃身とフレームが分離できたら駄目とか、リボルバーの場合にはシリンダーの壁に切れ目を入れないといけないといった細かな条件が設けられていますが、この部分についてはモデルガン本体にSMGの刻印があれば法律には適合していますので、SMG刻印の有無で判断すれば大丈です。
問題になるのは色の問題で、先程も述べた通り、最初は大丈夫でも、金色が退色して銀色になってしまった場合、法律に抵触することになります。
そのため、色が抜けた場合には法律で定められている色に着色する必要があります。
金属製モデルガン東京CMC『Walther GSP』を塗装してみる
元銃はドイツのワルサー社が製造した射撃競技向けのシングルアクションピストル。今はなき東京CMCの名作とも言われる金属製モデルガンです。
高倉健さん主演の映画『駅 STATION』の射撃練習シーンで使われていたのがまさにこの「ワルサーGSP」ですね。
実際の銃はこちら。
買取時にはもう少し金色っぽさがあったのですが、保管している間に退色が進み、銀色感が強くなってしまいました。
今回はこちらの金属製モデルガンを塗装して行こうと思います。
まずは簡単に取り外せるパーツをすべて外してしまいました。
外すと言っても通常分解ではずせる部分だけで、側面のバレルロックやセーフティ、マガジンキャッチなどはそのままの状態です。
塗装に使う塗料はクリアイエローなので、黒いパーツについては塗料がついてもそんなに目立たないかな~と言う点と、なにせ古い製品なのでEリングなどの部品に負荷かけたら折れそうなのが怖くて・・・
気になる方はマスキングテープなどでマスキングして頂いても良いかと思います。
パーツを外してみたら当時の下地が。
こんなにも金色だったんだね(;・∀・)
塗装をする前に表面の掃除を行ってホコリやチリを飛ばしておきます。
また、塗装面にオイル感があるようであれば脱脂しておくことをおすすめします。その際、パーツクリーナー等を使用すると、表面の塗装や下地のメッキ部分が痛む場合がありますので、事前にグリップ裏などの目立たない部分で試しておくことをおすすめします。
自分はエアダスターでホコリを飛ばした後は無水エタノールでクリーニングしながら脱脂もやってしまっています。
無水エタノールマジ万能です(・∀・)
早速塗装を行っていきますが、今回はクレオスのMr.カラースプレー( 48 クリアイエロー)を使用してみます。
塗料については下地の銀色が残っているようであれば、下地のシルバー感を活かしてクリアー塗料で塗ってあげたほうがメッキ感も出るのでおすすめです。
下地が黒や鉄むき出しの場合にはメッキ調スプレーなどを使うと簡単に金色感を出すことができますが、メッキ調スプレーの金はベタ塗りした感じの金になるので、おすすめとしてはシルバーのメッキ調スプレーの吹いてから、クリアイエローを薄く吹いてあげる方がメッキ感は出せるかと思います。
スプレーを吹き付ける時には1ヶ所に吹き付けるのではなく、右から左(左から右)に流すようにサッと吹いてあげるとキレイに塗装することができます。
イメージとしては塗料を薄くのせてく感じで、何度も重ねて塗ることで濃くしていく感じです。
↓のメーカーさんの動画を見てみるとわかりやすいと思います。
缶スプレーでの塗装方法については↓のページでも詳しく解説していますので、よろしければご一読ください。
『プラモデル 基礎から学ぶ失敗しない塗装方法 缶スプレー編 徹底解説』
https://vehicles-maniacs.com/coating_method_can-spray
乾燥させるときは陽射しの当たらない、風通しの良い場所で陰干しの用な感じで乾燥させて上げてください。
缶スプレーであれば余程厚塗りしなければ1~2時間程度で乾燥できますが、失敗したくないのであれば半日程度乾燥させてあげたほうが間違いは有りません。
塗装完了後はこんな感じです。
少しクリアーイエローは集めに吹いてみました。
組み込む際には塗装した部分を傷つけないように注意しながら作業します。
塗装完了後の比較
ちゃんと黄色の着色も出来たので、これで法律に抵触する恐れもなくなりました。
リボルバーを塗る時の注意点
もう1丁、コクサイの『M19』で色が薄いものがあったので塗ってみました。
リボルバーの場合、デザイン的にも複雑で塗装を忘れてしまいがちな場所が何箇所かあるので、参考程度にご覧頂ければと思います。
銃身とフレームの接合部付近で、シリンダーに繋がったヨークや、エジェクトロッドで隠れている部分。
いつもはシリンダーで隠れている部分も結構塗装を忘れがちです。
ハンマー付近も細い部分や、フロントサイトとの隙間も忘れずに塗装を。
ハンマーを外すのはほぼ全分解なので、マスキングテープ等でマスキングしてあげた方が楽だと思います。サイトはネジで固定されているものがほとんどなので、中の小さなバネに注意して外してみてください。
シリンダー内の弾が落ちないようにブロックしているリコイルシールドの裏あたりも吹き付けた塗料が少ない場合が多いので、意識して塗ってあげた方がいいです。
結構忘れがちなのが銃の下側部分。左右の側面を塗っていると下の部分にも塗料が回って塗装されていがちですが、よく見るととりょうのふきつけがすくないばあいがよくあります。
↓がコクサイ『M19』の塗装前と塗装後
まとめ
今回は金属製モデルガンの塗装について書いてみました。
古いモデルガンのあるあるでもある金色の退色ですが、退色が進みすぎると法律に抵触する恐れもありますので、もし所持し続けるというのであれば、塗装作業は仕方がないことなのかと思います。
今回は共に重ね塗りをして少し厚め塗料を吹き付けていますが、下地のシルバーがしっかりしているのならば、重ね塗りの回数を減らして少し薄くクリアーイエローを吹き付けるとまた少し違った感じになってきますのでお試しください。