TANAKA WORKS Tokarev TT-33
今回岩手県盛岡市のお客様から宅配買取にてお譲りいただいたのは、好きな人にはたまらない、旧ソ連の名銃『タナカ トカレフ(TOKAREV) TT-33』になります。
取扱説明書と共にお譲りいただきました。
装弾数は実銃と同じ8発、材質はヘビーウェイト(HW)樹脂と亜鉛ダイカストなのでしっかり重みを感じられ、重量は540gです。
こちらの商品は、第二次世界大戦始まりの年である1939年のトゥーラ工廠で製造されたモデルをモデルガンとして再現しています。
実銃のトカレフは、旧ソ連軍がアメリカの「コルトM1911(コルト・ガバメント)」のメカニズムを参考に、生産性を考えて構造の単純化を目指して設計された「TT-1930」をベースに、さらなる構造を単純化したものがこの「トカレフ TT-33」になります。
単純化した理由は、極寒の気候で凍結による不具合を起こさせないためでもありますが、訓練された軍人が扱うとはいえ、手動安全装置まで省略した思い切った構造になっています。
分解しやすいように、側面にあるクリップによって固定されています。構造単純化の特徴です。
中国製54式と旧ソ連製TT-33の違い
トカレフと言えば切っても切り離せないのが中国製のトカレフです。
1949年の建国後、ソ連から技術者を招いて兵器の国産化を進めた中国は、1951年にソ連からパーツ供給を受ける形で51式拳銃の生産を開始。そして1954年、51式拳銃の問題点を改善し、純国産の54式が完成しました。コピー品ではありますが、51式からの改良にはソ連の技術者も協力しており、グリップの小型化など使用する中国人を考慮した設計になっています。
説明書に記載されていた54式のイラストを参考に見比べてみると、スライド側面の溝、グリップの星印の装飾に違いがあります。
他にも、スライド上部の刻印がTT-33は側面にも記されているシリアル番号と「☆1939」ですが、54式は「五四式」となっています。
ランヤードリング(U字フック)は各フレーム部分に付いていますが、マガジン底板に付いているのはT-33だけになります。
第二次大戦後はソ連の制式拳銃がマカロフになり、トカレフは1953年に国内での生産が終了しましたが、極寒旧ソ連の無骨なデザインと機能美は魅力的で、今でも根強いファンの心を掴んでいます。
ご紹介したトカレフTT-33だけでなく、54式「五四式自動拳銃」もタナカから商品化されています。それぞれ再現されたモデルガンを手にして比較するのも楽しみ方の一つですね。