岡山県岡山市のお客様より、クーパーのカスタムナイフ「パナミント」をお譲りいただきました!この度はくれいも屋をご利用いただき、ありがとうございます。
クーパーの創設者・ジョン・ネルソン・クーパー氏は1906年に生まれ、1987年に没するまで60年以上にわたりナイフを作り続けました。20世紀のアメリカナイフ職人を代表する一人であり、ナイフメーカーズギルドの創設メンバーです。
もともとはペンシルバニア州で溶接工として働く傍ら、万能ナイフと肉切りナイフの製造を開始。やがてバージニア州の造船所に勤めるようになると、副業として狩猟用ナイフ、釣り用ナイフ、戦闘用ナイフの製造を行います。
第二次世界大戦では空軍に入隊。戦後はクーパーのナイフを入手した軍人たちの間で評判となっていきました。ハンティングやキャンプ、コンバットなど、使用目的からナイフデザインを導き出すカスタムナイフという考え方自体が珍しい時代です。
1965年には溶接工を引退し、カリフォルニア州で甥と共にクーパーナイフを設立。専業のナイフ職人となります。
クーパーのナイフはもともとハンドルをリベットやピンで取り付ける伝統的な手法でした。しかし専業職人となった彼は、従来のスタイルではブレードやヒルト、ハンドル素材の隙間に水や汗、獲物の血が溜まり、ナイフの腐食を引き起こしていることに気づきます。
そこでクーパーは溶接やろう付け、エポキシ樹脂などを活用してブレードとハンドルを強固に接合する方式を開発。このアイデアによって特許を取得しました。
1969年、クーパーは後にハリウッド映画に登場する刀剣類のデザインを多数手がけるジョディ・サムソン(1946-2008)や、「ビーストマスター・ソード」を生み出すビクター・アンセルモ(1945-2016)らの若手にナイフ作りの技術を伝えます。
クーパー自身も映画『大いなる勇者』(1972)やテレビシリーズ『サケット兄弟』(1979)などに登場するナイフを製作しました。ジョン・ウエインやサミー・デイヴィス・ジュニア、リー・マーヴィンなどの著名人がクーパーのナイフを収集しています。
今回お譲りいただきましたパナミントはブレード側にヒルトのあるカスタムナイフです。カーブしたブレード部分は約18cm、全体は約32cmの堂々たるボリューム。
ブレード・ヒルト・ハンドル・バットキャップの一体感は、クーパー社の特許である溶接などを多用した成果です。ハンドル中の2本のラインが美しいですね。
バットキャップのブラスに若干の経年感がありますが、すでにビンテージナイフともいえる時代ものですので、むしろ本物ならではの味と受け止めていくべきでしょう。
新品のようなシースはそれもそのはずでオリジナルではないのですが、高いフィット感があり、過去のユーザーがこだわりを持って探し出したことが窺えます。
写真のようにナイフ本体とシースは別々に保管されていたようで、シース収納時のタイト感も健在です。
くれいも屋では各種カスタムナイフの買取をお待ちしております。クーパークラスの高額買取や、多数のナイフコレクションの買取にはご自宅までうかがう出張買取も対応しております。まずはお気軽にご連絡ください!