エラン製モデルガン コルトガバメントシリーズ80 コンバットガバメントをお譲りいただきました!この度はくれいも屋をご利用いただきありがとうございます。
1980年代にシリーズ80をベースにコルト社がカスタマイズした、バリエーションモデルの一つです。
つい先月(記事執筆時2025年8月)業務終了を発表しましたエランは、2000年より六人部登氏の設計思想を受け継ぎ、1911にこだわり開発していました。
六人部氏の生誕が大正15年(1926年)5月。その生誕100周年を目前とした区切りとはいえ少し寂しいですね。お疲れ様でした。
六研-エランの歴史
エランのモデルガン史は、もともと六研ファンであった社長の廣瀬裕一氏が、1990年代に六人部氏と交わした対話から始まります。
その対話から樹脂製ガバメントの高級レプリカ・モデルガンを創るというプロジェクトがスタート。
この時のプロジェクトは1996年に旧「ザ・リアルマッコイズ」(現在の同名会社の前身)から「M1911スプリングフィールド・モデル」をリリースすることで結実します。
同アイテムにはクレジットこそないものの、エランもスポンサーとして関わっていました。
しかし2001年に旧ザ・リアルマッコイズが倒産したため、エランがモデルガン事業を引き受けることとなり、エラン-六研ブランドが誕生します。
そして2004年5月に没した六人部氏の最後の作品ともいわれるエラン製シリーズ70が同年8月末に発売されました。
エランの1911
実銃写真を参考に割り出した2004年版シリーズ70ですが、微妙なニュアンスやフィーリングで違和感を残すものでした。
実際に同銃をアメリカに持ち込み実銃と比較すると、形状が異なることが判明します。
もちろんそれらはパッと見でわかるものではなく、実銃を触った者にこそその違いが伝わるというものでした。
そこで廣瀬氏はリノのガンショーで初めてゴールドカップナショナルマッチの実銃を購入。以後も実銃のコレクションを増やし続け、実銃からの採寸という方法で、1911のリメイクを開始します。
採寸に加え、エランの工場長も実銃の操作・分解・射撃を繰り返したうえで生まれたのが、現行シリーズである2008年版です。
エランの1911は素材には鉄と同比重のタングステンを混ぜ込んだHW樹脂を開発。
HW樹脂の弱点としてヒケが発生しやすい点が挙げられますが、最終的には素材を一回り大きな寸法で射出成型し、切削加工をすることで高い精度の確保とヒケをなくすことに成功しました。
ただしタングステンは非常に硬い金属のため、切削にはダイヤモンドの刃先を特注するなど、様々な試行錯誤が行われています。
こうした歴史と工程を経た六研-エラン版ガバメントは、少なくともガバメントの樹脂製モデルガンの究極形の一つといえるでしょう。
シリーズ80コンバットガバメント
今回お譲りいただいたシリーズ80コンバットガバメントのモデルとなった実銃は、当時のシューターカスタムなどで採用されていたパーツを盛り込んだ純正セミカスタムです。
反射防止のパートリッジタイプフロントサイトとハイプロファイルリアサイト、フラットメインスプリングハウジング、ロングトリガーやエジェクションポートのローワード加工などを導入。
シンプルなカスタマイズながら、その名の通りより実戦的な銃へと生まれ変わっています。
実銃および製品ではパックマイヤーグリップが採用されておりますが、お客様の方でメダルレスの木製グリップに換装されたようです。
ちなみにフラット(ストレート)タイプのメインスプリングハウジングは、自分もMGCのGM6で好んでよく換装していました。
やはりガバメントは若干大柄過ぎるんですよね。
ほかにも六研-エラン製モデルガンはナショナルマッチやコマンダーなどの各種1911バリエーションや、大きく機構が異なるシーキャンプなどもリリースしています。
くれいも屋では各種モデルガンの買取をお待ちしております。やはりもともとが高額なアイテムですので手荒に扱う方は少なく、また、今回の業務終了でエラン製1911は査定額も高額になっていくと思われます。究極の一挺である2008年版はもちろん、六人部氏の遺した2004年版も大歓迎。まずはお気軽にご相談ください。