ギリシャ神話の戦いの神「アレス」の名を冠する香港のエアガンメーカー・ARES社のエアコキ版WA2000をお譲りいただきました、ありがとうございます！
ガスやバッテリーなどのパワーソースを必要とせず、BB弾と体力のある限り撃ち続けることができるエアコキ銃。
1980年代前半までは標準的な発射方法でしたが、1985年にフロンガスやエアータンクなどをパワーソースとするBV式フルオート銃（JACバトルマスター）、圧縮エアやリキッドチャージ式フロンガスをソースとして、バルブ打突式でBB弾を発射する固定スライド式セミオート銃（MGC M93R、WA AR-7）が登場します。
一発撃つごとにレバーやスライド操作が必要なエアコキ銃は、連射速度の不利さで駆逐されていきます。
この時代を生き残ったエアコキ式は、命中精度の高さでガスガンよりも遠距離からの攻撃を可能としたスナイパーライフル型でした。実銃の世界でも精度を必要とする狙撃用としては、ボルトアクション式が絶大な信頼を得ていた時代です。
この後ハイパワー競争からのパワー規制、ホップシステムの標準化など、エアガンの歴史上のいくつかのターニングポイントを経て、スナイパーライフルとパワーソース切れ時のバックアップ用としてエアコキ銃は現在も確かな地位を維持しています。
ARESのWA2000は、そのサイズなどから一見するとアサルトライフルにも見えますが、長大なバレルを内蔵するブルパップ式の狙撃用ライフルです。
モチーフとなったのはワルサーWA2000。1972年のミュンヘンオリンピック事件の教訓を得て、高精度なセミオート式狙撃銃が必要とされ、開発に至った経緯があります。プルバップ式のコンパクトな全長、バイポッドは銃身上のフレームにセットされることで、銃身のゆがみへの影響を最小限にし、さらに狙撃場所の状況にあわせて前後に移動させることが可能でした。
しかし最終的にはH&K社のPSG-1との競合に敗れ、制式採用されませんでした。そのため生産期間は85年からの4年間のみ、製造数は200挺にも満たないと言われています。
その一方でドイツ製品らしい合理的な構造に熱狂的なファンは多く（実はくれいも屋スタッフにも一人おります）、日本でもアサヒファイヤーアームズが1990年代初頭にモデルアップ。
外部ソース式ですが、電磁式バルブでエアーの流用をコントロール可能、弾道の安定化を図りました。ただしそのメカニズムと市場のニーズは合致しなかったようで、あまり普及したとはいえなかったと思います。
アレスのWA2000はスタイリングなどWA2000を踏襲していますが、グリップ後ろのマガジンはダミー。ただし付属のダミーカートを装填できるなど、遊び心のある仕様になっています。
BB弾はバレル下にチューブ式マガジンを備えています。実際のチャンバーもトリガーの少し前で、プルバップの外観は完全にダミーでもあります。その代わりホップ調整レバーもチャージングハンドル付近の位置にあり、ストック内よりも調整作業がしやすくなっているのは利点かもしれません。
パッドプレートは体格にあわせて前後・上下位置の調整が可能と、スナイパーライフルならではの機能を再現。また、チャージングハンドルやセレクターレバーは左右どちら側でも操作できる構造になっています。
くれいも屋では各種エアコキ銃の買取をお待ちしております。WA2000のようなレバー式のほか、伝統のボルトアクション式、ショットガン系のポンプアクション式など、用途にあわせた根強いニーズがございます。
パッケージや付属パーツの有無は気にせず、カスタマイズも査定の対象とさせていただきます。大量のコレクションや高額アイテムの買取には、ご自宅までうかがう出張買取も対応しております。まずはお気軽にご連絡ください。
