国産拳銃2種のモデルガンをお譲りいただきました、ありがとうございます。国産拳銃といえば南部十四年式がモデルアップされる機会も多く比較的メジャーといえるでしょうか。しかし今回は1902年に誕生した初の国産拳銃・南部式自動拳銃と、1930年代に主に将校用として開発された九四式拳銃という渋い組み合わせです。南部十四年式も南部式の改良型であり、この二挺があれば20世紀前半の国産拳銃の系譜を俯瞰することができるでしょう。
国産拳銃の祖・南部式自動拳銃
南部式自動拳銃は1902年、南部麒次郎によって開発された日本初の自動拳銃です。本銃以前はベルギーのリボルバーNagant M1878をベースに中折れ式へと改良した二十六年式拳銃が1893年に採用されていましたが、世界各国の軍隊もこの時期はリボルバーから自動拳銃への転換を進めていた時代でもありました。あるいは94年に起こった日清戦争や、1902年の義和団の乱などの影響もあったのかもしれません。
完成直後には日露戦争も起こっていますが、南部式の本格的な生産設備が整ったのは1906年以降であり、日露戦争にはごく初期の生産分が将校用などとして参戦しただけのようです。さらにこの時期の用兵思想においては拳銃が主武装の騎兵科は縮小傾向にありました。そのため当初は制式採用されず、将校用の私物や輸出用が主な用途だったようです。
南部式はいくつかの改良やバリエーション展開が行われています。8mm弾を使いホルスターを兼ねるストックを装着できる「大型甲」と、各種改良を行いストック基部が省略された「大型乙」。そして7mm弾を使う「小型」。大正時代末期に大型乙の生産を高めるために構造段階から見直したものが「十四年式」となります。
今回お譲りいただきました六研のモデルガンは、1924年に海軍陸戦隊に採用された「陸式」をとなります。大型乙をベースにしつつ、海軍ではストックを重要視したため、ストック用の基部を追加した甲乙ハイブリッドともいえる仕様でした。
国産小型拳銃・九四式
そして昭和9年(1934年)、将校用小型拳銃のニーズに応えて開発されたのが、九四式拳銃です。実銃の詳細は以前にハートフォード版をご紹介したときにも触れさせていただきました。明治26年に採用された二十六年式拳銃、大正14年の十四年式拳銃に対し、九四式は当時の日本が独自に採用していた皇紀に基づき、皇紀2594年に採用されたという型番となります。ナショナリズムの台頭した時代、その是非についてはここでは語りませんが、いろいろと時代が変わってきていました。
今回お譲りいただいた頑住吉製のモデルは、昭和19年生産の最後期のモデルを再現。頑住吉は主にレジンなどで様々な銃を立体化しています。いわゆるガレージキットと呼べる素材であり、マスプロ商品として立体化されることが稀な銃を多数モデルアップ。素材的には火薬などのアクションにも耐える構造ではないのですが、そうしたアクションと引き換えに、実銃の可動部やギミックを忠実に再現した作品を多く生み出しています。
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