S&Wやコルト社のリボルバーピストルのフレームは、サイズによってクラス分けが行われています。特にS&Wのフレームのクラス分けはよく知られており、小さい順にJフレーム、Kフレーム、Lフレーム、Nフレーム、Zフレーム、Xフレームとなっております。このほかにごく初期の小口径に対応したIフレームやMフレームがありました。
自分がトイガンをいじり始めた1980年代はJ、K、Nの小中大に、やっとLフレームが商品として普及しはじめた程度だったのですが、その後大口径フレームが増えましたね。Nフレーム以上は.44口径(N)、.45口径(Z)、.50口径(X)といったハイパワーな弾丸に対応したフレームです。その用途は対人というよりも、主に狩猟時のバックアップなど特殊な用途といえるでしょう。
M19登場以前のS&Wでは、.357マグナム弾はワンサイズ上のNフレームを小口径化して使用していました。M10に使用されていたKフレームはあくまで.38スペシャル用であり、耐久性が不足していたんですね。Nフレームは通常使用するにはサイズが大きいため、コンパクト化が求められていました。そこでKフレームをベースとしてヨーク部分を拡張し、シリンダー長も40mmから42mmへと延長するなどの改良を加えたコンバットマグナムが1955年に誕生します。コンバットマグナムは1957年のモデルナンバー制の導入によってM19となりましたが、愛称として引き続き使用されました。M19の登場で.357マグナム弾を使える、「ちょうどよい」サイズの銃が誕生したわけです。とはいえあくまで応急処置的なものでしたので、1970年代にはより耐久性の高いLフレームが開発されました。それでもM19およびKフレームの人気や信頼性は高く、1999年まで製造されています。
今回お譲りいただいたタナカ製モデルガンのM19もKフレームモデルで、2020年発売のVer.3版となります。タナカのKフレームモデルガンは2020年代に入って刻印の変更や外観形状の見直し、実銃と同様のスムーズな作動感を再現したVer.3へとリニューアルされました。
自分は身長170cmちょいですが、やはりM29のNフレームは大きく、M36やM60のJフレームは小さく感じてしまいますね。あくまで自分個人がトイガンだけを持ってみての感想ですが、Kフレームは日本人の手になじむサイズだと感じます。
M19はバレル下にエジェクターを完全に収納するハウジングが設けられ、M10よりわずかに長い2.5インチが最もコンパクトなモデルとなります。M10のエジェクターロッドむき出しの荒々しさもいいのですが、やはりホルスターへの抜き差しがスムーズになりますね。別売りのラウンドタイプの木製グリップを装着するなど、2.5インチならではのカスタマイズを堪能されています。
ちなみにKフレームの作動感の良さは、70年代のマッチシーンでは定評がありました。コルトパイソンが登場した時、バレルと同じ長さのエジェクターロッドハウジングの重量が発射時の銃口の跳ね上がりを軽減する効果を持っていました。瞬く間にパイソンは人気となりましたが、トリガーレスポンスが独特のもので、M19のフィーリングを手放したくないというユーザーも多く存在しました。
その結果、M19のフレームにパイソンのバレルを装着する「スモルトリボルバー(当時はスマイソンの方が通りがよかったですね)」というカスタムが流行します。それがパイソンに似たシルエットと重量バランスを持つM586とLフレームの誕生につながっていくわけですね。
もっとも80年代に入るとマッチ用の跳ね上がり防止策としては、バレル重量よりもマグナポートの方に流行は移っていきましたが。タナカではそのスモルトリボルバーもモデルガン化していますね。
実は今回同じくタナカのVer.3モデルガン版M10の3インチもお譲りいただいております。ぜひ近日中にご紹介したいと考えております。お楽しみに!
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